インドでアーユルヴェーダを学びたい方へ。現地の大学留学ってどうなの?

大学生活

こんにちは。
数あるブログの中から訪問していただきありがとうございます。
(上の写真はクラスメイトたちと卒業試験後に撮ったものです。わたしもどこかに写ってます!)

最近よく、アーユルヴェーダの大学でなにが学べるの?
インドの大学生活ってどう?
などなど聞かれるので、今日は「インド・アーユルヴェーダ大学への留学」について書いていきます。

インドでアーユルヴェーダは医学。

日本ではアーユルヴェーダは「リラクゼーション」「マッサージ」などの印象が強いと思いますが、インドでは「伝統医学」として正式に認められています。(そもそも法律の関係でアーユルヴェーダは日本では医学として認められていない…)

アーユルヴェーダ学部のコース名は「Bachelor of Ayurvedic Medicine and Surgery (通称B.A.M.S.)」といい、全部で5年半(4年半+1年間病院でのインターンシップ)のコースです。このコースを卒業すると、「アーユルヴェーダ医師」としての免許が発行されインドでは医者として働くことができます。

※インド以外の国ではこの医師免許は使えません。もちろん日本では使えません。ネパール、スリランカ等では政府に登録すれば使えるそうです。

卒業後、インド人学生のほとんどは専門分野を極めるために大学院(3年間)を目指します。

また、州によってルールが違うのですが、いくつかの州ではアーユルヴェーダ医師が西洋医学の薬を処方することが法的に認められています。

その他にもアーユルヴェーダのテクニシャン(セラピスト)コースなどがあります。

アーユルヴェーダ大学とは?

国立と私立

まず、アーユルヴェーダの大学はインド各地に国立、私立と200校以上あります。

国立大学は有名なところでいうと、グジャラートアーユルヴェーダ大学。日本人の方が多く通っている大学です。あとはバラナシにあるBHU(Banaras Hindu University、ジャイプールにあるNIA (National institute of Ayurveda)などでしょうか。

わたしが通っているデリーにあるChaudary Brahma Prakash Ayurveda Charaka Sansthan(名前長すぎ!始め覚えるのにひと月くらいかかった)は国立大学ですが、設立してから6−7年と歴史が浅いので全然知られてないです。

どういうことが学べるの?

インドのアーユルヴェーダ大学ではCCIM (Central Council of Indian medicine) が定めたシラバスの内容を学びます。教え方は各大学によって異なりますが、私立も国立もこのシラバスにそって授業が行われます。

こちらがシラバス。(2019年現在)
5年ほど前に以前のものからちょっと変わりました。
https://www.ccimindia.org/ayurveda-syllabus.php

細かい内容はシラバスを見てもらえば良いんですが、簡単に書き出すと以下のようになります。

※ちなみに、アーユルヴェーダ大学ですがシラバスの内容は現代医学とアーユルヴェーダの半分半分となっています。

1年生(1年間)

  1. インド哲学と歴史
  2. サンスクリット語
  3. 生理学
  4. 解剖学
  5. 古典書(Ashtanga hrdya)
4年半の学生生活の中で一番辛い学年でした…。そもそも大学から英語で授業やるよ!と言われていたのに、ふたを開けてみたらなぜかほぼヒンディー語(現地の言葉)で行われており全然分からず毎日泣いてました苦笑

というかヒンディー語だけじゃなく、医学用語すら英語で知らなすぎてもはや生まれたての赤ん坊のよう。その上にサンスクリット語の勉強でもう訳が分からなくなってました。(アーユルヴェーダはサンスクリット語で古典書に書かれているので、学ぶ上で必須の知識です。)

ほぼ全ての時間を勉強に費やし、ほとんど独学で試験を突破。時間がもったいなくて1年間に映画とか動画を2本くらいしか見ませんでした。

あ、解剖学のクラスでは人体解剖も行われます。

2年生(1年間)

  1. 薬草学
  2. 毒物学
  3. 鉱物学&製薬学
  4. 古典書(charaka samhita)
200種類以上の薬草・鉱物の名前、性質、薬効などを丸覚えしなければならないという、暗記地獄学年。

薬作りの授業もあって、なかなか楽しかったです。2日間かけて、若返りの薬と言われるCyavanprashを作ったりしました。

2年目ということで少し勉強の仕方にも余裕がでてきたころ。大勢のクラスメイトが試験でカンニングしているのを目撃してしまい、悲しくなり帰り道に涙がこぼれる。自分は試験に落ちたとしてもカンニングなんぞ絶対にしないと誓う。

神様が見てくれたのか、まさかの最終試験で学年2位に。成績優秀者として10000ルピー(16000円くらい)を大学から貰う。

若返りの薬作り
2位の証書授与式

3年生(1年間)

  1. 病理学
  2. 予防医学
  3. 産婦人科学
  4. 小児科学
  5. 古典書(charaka samhita)
試験は毎学年末に行われます。最近は制度が変わったようですが、わたしたちの時は1科目でも試験に落ちると、6か月後に再試験。3科目以上落としてしまった人は卒業が6か月遅れるというシステムでした。

わたしは奨学生なので、試験に落ちれば奨学金が止まってしまうかもしれないというプレッシャーもあり試験前はストレスではげそうでした。
(ちなみに、入学した時わたしの出席番号は104番だったのですが、試験に落ちる人が続出し最終的に46番になりました。半分!)

この学年から臨床クラスが始まり、大学と病院を行き来するようになります。

産婦人科学では近くの西洋医学の病院で研修が行われ、お産を手伝ったり手術に立ち会ったりする機会もありました。

最終学年(1年半)

  1. 内科
  2. パンチャカルマ
  3. 外科
  4. 耳鼻科
  5. 研究方法学と医学統計学
最終学年は他の学年と違って1年半あり、前の学年より臨床クラスの時間が増えます。

卒業試験は1科目でも落とすと、卒業が6か月遅れます。
そのため、試験前のプレッシャーが半端ないです。クラスメイトは毎試験前に吐いてました。

受かれば、やっと研修医に。

コメントはあくまでわたしの大学のケースです。他の大学は全然違う可能性があります。シラバスは同じですが。

最後に。アーユルヴェーダを学びたいあなたへ。

ざっとあげると、この四つの学び方があると思います。

  1. 書籍、ブログ等
  2. アーユルヴェーダの学校やセミナー(日本)
  3. 短期留学(インド等)
  4. インド・アーユルヴェーダ大学留学


1. おすすめの書籍はまたの機会に紹介します。
2,3 わたしは両方行ったことがないので、アドバイスできませんすみません。が、ネットで探せば沢山でてくるはずです。
4. について、わたしの意見↓

5年半のインド留学は簡単じゃない。

たまに留学するか迷ってる人の相談を受けることがあるのですが、まず5年半の留学は簡単じゃないです。

ポジティブな面もたくさんありますが、大変なことがそれは山のようにあります。勉強面だけでなく、生活面でもインドは精神を蝕まれるような出来事が沢山起きます…

あと、インドは良い意味でも悪い意味でもスローで適当です。(他の大学はわかりませんが、わたしの大学では気分によって教授が授業に来ないことが何回もありました。)
正直シラバスの内容的に5年半かけなくても、もっと短期間で授業できるだろと思うことも多々ありました。あまり期待しすぎない方がいいです。

前に書いたようにシラバスの内容がアーユルヴェーダと西洋医学の半々なので、思い描いていた「アーユルヴェーダ」が学べずがっかりして国に帰っていった留学生も何人か見ました。(大学は技術よりも学問よりなので、脈診を身につけるとかはなかなか難しいです。)

そして、インドの大学で時間を費やして学んだことでも、法律や土地の関係で日本で使えないことがたくさんあります。

日本でもアーユルヴェーダは学べる。

大学留学しなくても、日本にはレベルの高いアーユルヴェーダの学校がいくつもありますし、日本に即したアーユルヴェーダを教えています。ストレスなく早く学べるし、むしろインドで学ぶよりすぐに生活や仕事に応用しやすいと思います。

インド現地で学びたいという人にも、たくさんの短期コース(1週間、1ヶ月等)がありますので、そちらで学ぶのもいいと思います。まずは現地に行ってみるのが一番。

グジャラート大学には外国人用の6か月コースもあるようです。

アーユルヴェーダ大学留学が向いている方

  • 日本で学んだだけではもの足りず、より深く勉強したい
  • 5年半(以上)をインドに捧げる覚悟
  • インドで医者として生きていきたい
  • 西洋医学の勉強もしたい
  • インドで起こるストレスを楽しめる
  • 呼ばれた
日本でアーユルヴェーダが医学として認められて、ちゃんとした治療ができるようになったらいいんですけどね。個人的にはまだまだ時間かかかるというか…難しいと思ってます。

なんだかんだ一番は最後のポイントなんじゃないかと思います笑
ご縁があれば、何があってもインドに行って学ぶことになるんじゃないでしょうか。

留学する大学はわたしのところのように現地語メインで教えている大学ではなく、英語で授業をするグジャラート大学のような外国人慣れしている大学を強くおすすめします!

以上、この記事が参考になったら幸いです。
自分にあった形でアーユルヴェーダを学べたらいいですね。

長くなりましたが、最後まで読んでくださりありがとうございました!

4 件のコメント

  • Satomiさん
    はじめまして、私Mayuともうします。
    アーユルヴェーダ医師になりたくて調べていたら、こちらの記事にたどり着きまた。
    またプロフィールを拝見したら同じ年に生まれていたことに勝手ながら親近感が湧き、コメントさせて頂きました…!

    もし可能であれば教えていただきたいことがあり…!
    インドのアーユルヴェーダ大学での奨学金を貰う方法や、大学に行くまでの経緯や受験科目など日本の大学の入学方法と異なる点などあれば教えて頂ければ幸いです…!

    研修中で大変ご多忙とは思いますが、可能でしたら教えて頂きたいです。

    mayu

    • Mayuさん

      こんにちは。コメントありがとうございます。

      ICCR奨学金の申請方法はこちらのサイトに書いてあります。
      http://ryugaku.jasso.go.jp/scholarship/scholarship_foreign/india/scholarship_in_medicine/

      ただ、希望の大学に行ける可能性は低いです。
      そしてもし現地語の大学に入学した場合、かなり苦労します。
      (わたしはかなり大変な思いをしました…)

      なので、希望の大学がある場合は直接その大学に入学した方がいいと思います。
      各大学によって入学方法に差異があるはずなので、直接お問い合わせください。

      グジャラート大学は外国人の受け入れに積極的で、
      高校の成績証明書等があれば試験なしで入学できたはずです。
      現在はわかりませんが…

      アーユルヴェーダの医師免許は日本では使えませんし、
      5年半は長いですから医師コースに留学する場合はよく考えてからご決断くださいね。

      • Satomiさん

        お忙しい中、丁寧なご回答ありがとうございます。

        とても参考になりました。

        現地語は難易度高そうですが、挑戦してみたいです。

        4年前から悩んでいて決心がついたのでチャレンジしてみようと思っています!

        卒業証明書があれば試験なしで入学できた過去があるんですね。
        調べてみます。

        ブログ、今後も拝見致します。
        貴重なご回答、本当にありがとうございました。

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    周りに畑しかないけど住所はデリーの大学で、伝統医学アーユルヴェーダを学んでいます。4年半の学生生活を終え、アーユルヴェーダ研修医に。