牛乳って結局体にいいの?

家庭で使える−食べ物図鑑

昨今、牛乳について様々な意見が飛び交っていますね。

結局牛乳は体にいいの?悪いの?ということで、
今日もアーユルヴェーダ古典書からその答えを紐解いていきましょう。

アーユルヴェーダでは、ミルクが色々な治療に使われます。

薬と一緒に飲用したり、おでこに垂らしたり、目薬として使ったり、茹でたお米を布に包んだ袋を牛乳につけて体に塗りたくったり、肛門から煎じ薬と一緒に注入したり。その用途は実に様々です。

ちなみに日本ではミルクと言えば牛乳ですが、インドではcow’s milkとパッケージに書いていない限りはバッファローなど何らかの動物のミルクが混ざっています。
有名なAmul milk。インドのミルクは紙パックじゃなくて、このタイプがスタンダードです。

アーユルヴェーダ古典書に書かれているミルクのあれこれ

さて、アーユルヴェーダの古典書 Ashtanga hrdyaには色々なタイプのミルクの性質が書かれています。(kshira varga)

  1. バッファロー
  2. ヤギ
  3. ラクダ
  4. 人間
  5. ヒツジ
  6. 有蹄類(馬など)
以下、カッコ内はサンスクリット語です。アーユルヴェーダを学んでいる方はご参考に。

一般的にミルクの性質

どの動物であろうと、ミルクには以下のような性質が共通してあります。

  • 甘い味 (madhura rasa)
  • 消化後の味も甘い (madhura vipaka)
  • 油性 (snigdha)
  • 重い (guru)
  • 冷たい (shita)
  • ヴァータとピッタを下げる
  • カファを上げる
  • オージャスとダートゥを増やす
  • 性欲を上げる

1. 牛 (go)

ミルクの代表格といえばやはり、牛乳。

  • 元気を回復させる(jivaniya)
  • 老化、病気を防ぐ(rasayana)
  • 怪我後の衰弱によい (kshata kshina)
  • 脳の働きを高める (medhya)
  • 体が強くなる (balya)
  • 母乳の量を増やす(stanyakara)
  • 便通を促進する、弱い下剤(sara)
  • 疲れ、めまい、中毒や酩酊、喘息、咳、のどの渇き、空腹、慢性的な熱、排尿障害、出血性疾患を和らげる

2. バッファロー(mahisha)

  • 過食症、多食症によい (atyagni)
  • 不眠症 (anidra)
  • とても重い性質 (guru)
  • 冷たい性質 (hima)

3. ヤギ (aja)

  • 軽い性質 (laghu) =少量の水を飲み、いつも動いていて、辛い草と苦い草
  • を食べるため
  • 衰弱、熱、喘息、出血性疾患、下痢を治す

4. ラクダ (ushtra)

  • 少し乾燥した性質
  • 温かい性質
  • 塩味
  • 消化力を上げる
  • 軽い性質
  • ヴァータ、カファによる病気に良い
  • 腹部の膨張、寄生虫感染、浮腫、腹水、痔によい

5. 母乳 (nari)

人間のミルクも治療に使われます。

  • 目の病気を治す(ヴァータ、ピッタ、ラクタ、怪我によるもの)
政府病院の治療で母乳を使うように処方している先生はまだ見たことがありませんが、目に炎症が起きた患者さん(授乳中)に母乳を目に入れるように伝統医が指導しているのを実際に見たことがあります。

6. ヒツジ (avika)

  • 心臓に良くない
  • 温かい性質
  • ヴァータ性の病に良い
  • げっぷ、呼吸困難になる
  • ピッタとカファを乱す

7. 象 (hasti)

  • 体を強くする

8. 有蹄類-馬など (ekashapha)

  • 温かい性質
  • 軽い
  • ヴァータを下げる(shakha vata hara)
  • 少し酸っぱく、しょっぱい味(amla & lavana)
  • やる気がなく、怠惰になる

その他ミルクの性質

沸騰させていないミルク

  • スロータス(体の中に張り巡らされている管のこと)を塞ぐ(abhisyandi)
  • 重い性質

沸騰させたミルク

  • 程よく沸騰させたミルクは消化しやすい

新鮮なミルクは”nector”

  • 動物から直接絞り出された新鮮なミルクは”nector”(神々の飲む霊酒で、美しさと不死が保てるとされる)の性質を持っている

結論:結局ミルクって体にいいの?

近年、牛乳が体に良い悪い論争が繰り広げられていますが、アーユルヴェーダ古典書によると牛乳は確かに「体にいい」です。

ただ、、オーガニックにストレスがなく薬などを使わずに搾ったばかりの牛乳(適量)の場合です。

現代の牛乳はストレスのある環境で育てられ、薬まみれで、搾りたてではない…。古典書のそれとはかけ離れているので「体にいい」とは言えませんね。飲み過ぎは禁物です。

いかがでしたか?
動物によって、ミルクの性質が違うのはなかなか面白いですよね。
牛乳以外のミルクを飲む機会はなかなかないかもしれませんが、ぜひ参考にしてみてくださいね。