アーユルヴェーダとは? −基礎理論01:五大元素とドーシャ−

アーユルヴェーダとは?

全てのものは五大元素で出来ている

パンチャ・マハーブータとは?

アーユルヴェーダではこの世に存在する全てのものは、五大元素によって構成されると考えられています。サンスクリット語では、パンチャ・マハーブータと言います。

pancha=5
mahabhuta=元素(elements)

五大元素とは…    (読み方)
1. Akasha(空/空間)=アーカーシャ
2. Vayu(風)  =ヴァーユ
3. Agni(火)   =アグニ
4. Jala(水)    =ジャラ
5. Prithivi(土)  =プリティヴィ

全てのものはこの五大元素によって成り立っていますが、それぞれの比率が違います。

例えば「石」にはprithiviの比率が、また「川」にはJalaの比率が高く入っていることは容易に想像できるかと思います。

五大元素はどのようにして生まれた?

①Akasha(空)

まず始めに「空」が生まれました。

「空」は空っぽで、軽く、繊細、どこにでも存在します。
核となるエネルギーです。そして「空」の振動から「音」が生まれました。
私たちが動き、住み、成長していくには「空」は欠かせません。

②Vayu(風)

「空」に動きが生まれ「風」となりました。

乾いていて、軽くて、動きます。電子エネルギーとも考えらることも。

「風」は触れることで初めて知覚することができます。

例えば、風が全く吹いていない部屋の中で私たちは「空気」の存在を感じることができません。でも、部屋の扇風機をつけてみると「風」が体に当たり、初めてその存在を感じることができます。

③Agni(火)

「風」の動きによって摩擦が生じ、「熱/火」が生まれます。

熱く、乾燥していて、鋭く、突き通り、明るい性質を持っています。
太陽は、まさに「火と光」の源と言えるでしょう。

「火」は「光と視覚」と関係があります。

④Jala(水)

次に「水」が生まれました。
液体で、重く、柔らかく、粘性、冷たく、密で、粘着性があります。

「水」は「味覚」と関係があります。

水分がなければ、舌で味を感じることはできません。

⑤Prithivi (土)

最後に、五大元素の中で最も固い性質である「土」が生まれました。

重く、固く、粗く、密度が高く、遅く動き、分厚い性質があります。
熱くも冷たくもありません。

「土」は「嗅覚」と関係があります。

人の体の中にある五大要素

人間の体の中にも五大元素はもちろん存在します。

体の中の「空」

例えば、消化器官は口から肛門まで繋がっているひとつの長い管。すなわち「空間」があります。また、上の図からわかるように骨の中にも「空間」が存在します。口の中も鼻の中も空洞です。

心への影響:
「空」は自由、平和、愛、思いやり。また、分離感、孤独、不安、恐れなどを生み出します。

体の中の「風」

「風」は体の全ての動きを作り出します。「風」の元素がなければ、筋肉を動かすこと、心臓を動かすこと、呼吸のための肺の拡張収縮、頭脳活動など…全ての体の働きは行われません。全ての「風」の動きが止まった時、人は死にます。

心への影響:
「風」は幸福、新鮮さ、喜び、興奮。また、「空」と一緒に恐れ、不安、緊張感などを生み出します。

体の中の「火」

「火」は体の中で主に消化、吸収、同化などの代謝活動や体温調節を行います。知性も「火」が司っています。

心への影響:
「火」は怒り、嫌悪感、嫉妬、批判、野心、競争心などを生み出します。

体の中の「水」

「水」は体の中でリンパ液、消化液 、汗、唾 、尿などの液体として存在します。栄養と生命を支えるのに不可欠な元素です。

心への影響:
「水」は満足感、愛、思いやりなどを生み出します。
「水」が不足しているとのどの渇きを、過剰だと浮腫や肥満などの原因にもなります。

体の中の「土」

「土」は体に力、構造、スタミナを与えます。
体の中の全ての固体は「土」によって作り出されます。(骨、筋肉、歯、髪、爪、皮膚など)

心への影響:
「土」は許し、成長、助け。また、 執着、欲張り、落ち込みなどを生み出します。

五大元素とドーシャ

これらの五大元素は結びつき、体の中で「トリドーシャ」というエネルギーになります。
Tri=3つ
Dosha=乱れやすいもの

3つのドーシャとは
1. vata(ヴァータ)
2. pitta(ピッタ)
3. kapha(カファ)

それぞれのドーシャは以下の五大元素から成り立っています。
vata = akasha + vayu
pitta = vayu+ jala
kapha = jala + prithivi

3つのドーシャは誰の体の中にも存在しています。

一言で各々の働きを説明すると

  • ヴァータ=動き
  • ピッタ=消化と代謝
  • カファ=潤滑と構造を作る

生まれながらの性質・体質=プラクリティ

人は生まれながらにして、このドーシャの比率が決まっています。これをprakrti(プラクリティ)と言います。つまり、その人特有の「性質」「体質」ということです。

例えば、ヴァータの性質が圧倒的に多い人を「ヴァータ・プラクリティ」。3つのドーシャの中で、ヴァータとピッタの比率がカファに比べて多い人を「ヴァータピッタ・プラクリティ」などと言います。

プラクリティについては今度詳しく書きます。

3つのドーシャが平等でバランスが取れている性質の人は「サマプラクリティ」と呼ばれ、理想のプラクリティと言われています。ごくごく稀に存在します。

この生まれながらに定められた3つのドーシャのバランスが取れている状態(=prakrti)は人を健康にし、ドーシャの本来のバランスが崩れている状態(=vikrti)は人を病気にすると言われています。

例えば、ヴァータ・プラクリティの人にとってはヴァータ:ピッタ:カファ=3:1:1が通常の状態だとします。ところが、それが1:3:1の比率になってしまうと本来のバランスが崩れてしまい、体の不調を引き起こすという訳です。

アーユルヴェーダの治療は基本的にこの崩れてしまったドーシャのバランスを食事、行動、運動、薬だったり、浄化法などを使って元通りにすることです。(vikrtiをprakrtiに戻す)

それぞれのドーシャの性質

人体は宇宙の縮図?

ドーシャについて考える前に、アーユルヴェーダのもうひとつの哲学である「大宇宙・小宇宙論」について見ていきましょう。

これは、宇宙・自然(大宇宙)は私たちの体(小宇宙)に影響を及ぼし、私たちの体はまた宇宙に影響を及ぼすという理論です。

例えば、その土地のヴァーユ・マハーブータ(風の元素)が他の元素に比べて急激に活発になった時、台風やハリケーンや地震などを引き起こします。そして、わたしたち人間の体の中にある「ヴァータ」も増悪します。

宇宙は決して遠い存在ではなく、わたしたちの体と繋がっているのです。

風・日・月とトリドーシャ

では、「大宇宙・小宇宙論」をトリドーシャにも照らし合わせて考えてみましょう。

自然界は主に風・日・月によってバランスが保たれているように、わたしたちの体もトリドーシャによってバランスが保たれており、このふたつの働きは非常に似ています。

・風=ヴァータ
・太陽=ピッタ
・月=カファ

木の葉っぱが「風」によって動くように、手足の動きなどは「ヴァータ」によって起こります。

「日光」の暖かさは果物を熟させるのに必須なように、「ピッタ」の熱によって体の消化活動が行われます。

「月や雨」の冷たさや粘性は、植物や果物を維持します。「カファ」は粘性によって関節を強くし、人体を維持します。

自然界に存在するものは、わたしたちの体の中にも存在するのです。

トリドーシャの性質

さて、ここでアーユルヴェーダの三大古典書「ashtanga hrdya」から3つのドーシャの性質を見ていきましょう。

ヴァータの性質 …乾燥している、軽い、冷たい、粗い、繊細、動く。
ピッタの性質 …油性、鋭い、熱い、軽い、臭う、流れる、液体。
カファの性質 …油性、冷たい、重い、遅い、滑らか、安定している。

Ash. hr .su 1/11
この3つのドーシャの性質を知ることは非常に大切です。

自分や家族の体質への理解が深まるし、ドーシャの乱れが感覚で分かるようになります。

例えば…最近皮膚が乾燥するとか、心が落ち着かないなんて症状がある場合はヴァーダの乱れ。ご飯を食べたばかりなのにすぐお腹が空いてしまう、焼けるような痛みがある場合は、ピッタの乱れ。体が重だるい、動くのが面倒くさい、消化不良の場合はカファの乱れ。などなど

次回は、ドーシャについてより深く学んでいきます。